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退院困難な要因の位置づけ
B007 退院支援計画書における「退院困難な要因」とは
入院後7日以内(一般病棟等)に退院支援が必要かどうかをスクリーニングするための項目です。
計画書の「退院困難な要因」欄に、該当する要因を具体的に記載します。チェックボックスの選択のみでなく、患者の状況に即した具体的な記述が求められます。
※ 入退院支援加算(B246)の算定においても、同様のスクリーニング項目が求められます。
入院後7日以内(一般病棟等)に退院支援が必要かどうかをスクリーニングするための項目です。
計画書の「退院困難な要因」欄に、該当する要因を具体的に記載します。チェックボックスの選択のみでなく、患者の状況に即した具体的な記述が求められます。
※ 入退院支援加算(B246)の算定においても、同様のスクリーニング項目が求められます。
⚠️ 令和8年度改定で新項目が追加されました
「患者の意思決定支援や退院後の生活に向けた調整を行うに当たって、家族や親族との連絡が困難であること」が要因として追加されました。本人への確認・医療介護事業者への照会を行ったにもかかわらず、家族が特定できない場合や連絡を拒否されている場合が該当します。
「患者の意思決定支援や退院後の生活に向けた調整を行うに当たって、家族や親族との連絡が困難であること」が要因として追加されました。本人への確認・医療介護事業者への照会を行ったにもかかわらず、家族が特定できない場合や連絡を拒否されている場合が該当します。
各要因の記載ポイントと文例
① 悪性腫瘍、認知症、誤嚥性肺炎等の罹患
- 病名だけでなく、それによって退院調整に何が生じるかを記載する
- 治療方針(手術・化学療法・緩和等)の決定状況を踏まえた記述
- 認知症は程度(HDS-R・MMSE等)と意思決定能力への影響も
肺がん(ステージⅢA)に対する化学放射線療法が予定されており、治療期間および退院後の在宅療養継続に向けた支援が必要な状態。
② 緊急入院
- 予定外入院のため退院準備が整っていないことを明示する
- 入院前の生活状況が確認できていない場合はその旨も記載
- 独居・老老介護等との組み合わせで状況の深刻度が増す
救急搬送による緊急入院のため、退院後の生活環境・介護体制が未確認。入院前の状況把握とサービス調整を早急に行う必要がある。
③ 要介護認定の未申請・申請中
- 未申請の場合:申請の意向確認状況・今後の予定を記載
- 申請中の場合:認定結果が出るまでの暫定対応方針を記載
- 要介護度の変化が見込まれる場合は区分変更申請の検討も
ADLの低下により要介護状態が見込まれるが、介護保険未申請。退院後サービス導入のため入院中に申請を行い、暫定ケアプランによるサービス利用を調整中。
④ 家族等の介護負担・介護力の問題
- 主介護者の年齢・健康状態・就労状況・介護意向を記載
- 老老介護・遠距離介護の状況も具体的に
- 家族間の意見相違がある場合はその旨も記録
主介護者は80代の配偶者で腰部疾患があり、身体介助が困難な状況。子は遠方在住で日常的な支援が得られない。介護サービスの導入・拡充が不可欠。
⑤ 独居・社会的孤立・人的サポートの不足
- 独居の有無・日中独居の有無・近隣とのつながりも確認
- 身元保証人が不在の場合も記録しておく
- 既存のサービス利用状況と空白時間帯を把握
独居で近隣との交流がなく、退院後の見守り体制が整っていない。緊急時の対応者が不明であり、訪問看護・緊急通報装置の導入を含めた支援体制の構築が必要。
⑥ 住居の確保・住環境の問題
- バリアフリー・段差・浴室構造等の問題を具体的に記載
- 住居の確保自体が困難な場合(無住居・施設待機等)も記録
- 家屋調査の予定がある場合はその旨を記載
自宅は木造2階建てでトイレ・浴室に段差があり、現在の歩行状態では安全な生活動線の確保が困難。退院前に家屋調査を実施し、住宅改修・福祉用具の導入を検討予定。
⑦ 退院後の医療処置・医療管理の継続
- 処置の種類と頻度・管理の難易度を具体的に記載
- 家族の手技習得状況・訪問看護の必要性も明記
- 在宅酸素・人工呼吸器・胃ろう・ストーマ等は設備調整も必要
在宅酸素療法(2L/分 安静時、労作時4L/分)を継続予定。機器の設置・管理事業者との調整、訪問看護による観察体制の構築が退院前に必要。
⑧ 精神的問題・経済的問題・社会的問題
- 療養への不安・疾患受容の状況・うつ傾向等も記録
- 経済的問題は具体的な制度(高額療養費・生活保護等)の検討状況を
- DV・虐待・アルコール依存等の背景がある場合も慎重に記録
医療費に関する不安が強く、就労不能による収入減少が見込まれる。傷病手当金の申請支援とともに、高額療養費の限度額適用認定証取得を調整中。
⑨ 意思決定支援が必要な状況
- 患者本人の理解度・意思表示の状況を記録
- 認知機能低下・意識障害・言語障害等が意思決定に影響している場合
- 代理意思決定者の有無・関係者間の方針調整の状況も記載
重度の認知機能低下(MMSE 12点)により本人の意思確認が困難。退院先・療養方針についてキーパーソンである長女と医療チームで繰り返し話し合いを行っているが、合意に向けた継続的な支援が必要。
⑩ 令和8年新追加 家族・親族との連絡が困難
- 本人への確認・関係機関への照会をしても家族が特定できない場合
- 家族が連絡を拒否している・連絡先が不明な場合
- 成年後見制度・身元保証機関・自治体との連携が必要なケースも
本人・関係機関への照会を行ったが家族・親族が特定できず、意思決定支援および退院後の調整において身元引受人となる者が不在。行政・地域包括支援センターとの連携を含めた対応を検討中。
スクリーニングのタイミングと計画書の交付
| 区分 | スクリーニング期限 | 計画書交付期限 |
|---|---|---|
| 一般病棟(7対1・10対1等) | 入院後7日以内 | 入院後7日以内 |
| 地域包括ケア病棟 | 入棟後3日以内 | 入棟後7日以内 |
| 回復期リハビリ病棟 | 入棟後3日以内 | 入棟後7日以内 |
| 療養病棟 | 入院後7日以内 | 入院後7日以内 |
記載上の注意点
①「要因」の記載は具体的に
「独居のため」「認知症のため」という単語のみでなく、それが退院調整にどう影響するかを一文で記載するとよいです。「誰が読んでも状況がわかる」記述を目指しましょう。
②複数要因の場合はすべて列挙する
退院困難な要因は複合することが多いです。主要因だけでなく、関連する要因もすべて記載することで、支援の根拠が明確になります。
③要因は変化することがある
入院中に状態・環境・家族の状況が変わることがあります。計画書の内容は適宜更新(または別の計画書を作成)し、変化を記録してください。
④「その他」要因の活用
上記①〜⑩に当てはまらない場合も「その他、患者の状態から退院困難と認められる場合」として記載できます。状況を具体的に文章で説明してください。
「独居のため」「認知症のため」という単語のみでなく、それが退院調整にどう影響するかを一文で記載するとよいです。「誰が読んでも状況がわかる」記述を目指しましょう。
②複数要因の場合はすべて列挙する
退院困難な要因は複合することが多いです。主要因だけでなく、関連する要因もすべて記載することで、支援の根拠が明確になります。
③要因は変化することがある
入院中に状態・環境・家族の状況が変わることがあります。計画書の内容は適宜更新(または別の計画書を作成)し、変化を記録してください。
④「その他」要因の活用
上記①〜⑩に当てはまらない場合も「その他、患者の状態から退院困難と認められる場合」として記載できます。状況を具体的に文章で説明してください。
【参考】主な関連通知・資料
・診療報酬点数表 B007 退院支援計画書
・入退院支援加算(B246)の施設基準に係る届出に関する事項(令和8年度改定)
・厚生労働省「入退院支援の取り組みについて」(令和8年度改定関係資料)
※ 本シートは参考情報です。各医療機関の規定・様式・解釈に従って運用してください。改定内容は随時厚生労働省の一次資料をご確認ください。
・診療報酬点数表 B007 退院支援計画書
・入退院支援加算(B246)の施設基準に係る届出に関する事項(令和8年度改定)
・厚生労働省「入退院支援の取り組みについて」(令和8年度改定関係資料)
※ 本シートは参考情報です。各医療機関の規定・様式・解釈に従って運用してください。改定内容は随時厚生労働省の一次資料をご確認ください。