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専門職向け 在宅サービス調整

台風シーズンの退院支援チェック
在宅酸素・在宅人工呼吸器患者の停電対策、退院前に何を確認する?

この記事でわかること
  • 台風シーズンに在宅酸素・在宅人工呼吸器患者の退院支援で確認すべき理由
  • 退院前カンファレンスで押さえておきたい停電対策チェック項目
  • 家族への指導で漏らしやすいポイント
  • 急変時・停電時の受け入れ体制の整え方

なぜ今、この確認が必要か

8〜9月は台風の接近・上陸が増える時期です。在宅酸素療法(HOT)や在宅人工呼吸器(HMV)を使う患者さんにとって、 電源は生命維持に直結します。停電が起きてから慌てるのではなく、 退院支援の段階で「停電が起きたらどうするか」まで話し合っておくことが、 安全な在宅移行につながります。

特にこの時期に退院調整をしている患者さんについては、 退院前カンファレンスのチェックリストに停電対策の項目を加えておくと安心です。

退院前に確認しておきたい5項目

📋 停電対策チェックリスト

  • 外部バッテリーは複数台あるか
    1台の予備だけでなく複数台を常備。バッテリーには寿命があるため、 購入年月日をラベルに記入し、定期的に新しいものと交換する。
  • バッテリー・機器本体は定期点検を受けているか
    人工呼吸器本体だけでなく、外部バッテリーなど周辺機器も点検の対象になる。
  • 停電時にアラームが正常に作動するか、事前に確認したか
    可能であれば実際に電源を落として試しておくと安心感が違う。
  • 酸素濃縮器を使っている場合、酸素ボンベの用意はあるか
    停電時は濃縮器が使えなくなるため、携帯用ボンベへの切り替え手順を確認しておく。
  • 急変時の受け入れ先と連絡体制は決まっているか
    主治医、入院可能な医療機関、家族間の緊急連絡表をあらかじめ共有しておく。

家族への指導で漏らしやすいポイント

機器や電源の準備だけでなく、「手を動かして対応する方法」も家族に伝えておく必要があります。

停電時に家族が対応できるようにしておくこと
  • 人工呼吸器が止まった場合の蘇生バッグ(アンビューバッグ)の使い方を、主治医等から事前に指導してもらう
  • 吸引器(充電式・足踏み式・手動式など)の操作方法を確認しておく
  • 発電機や自動車のシガーソケットなどを使う場合は、必ず事前に医療機関や機器提供業者に確認する(機器や状況によって可否が異なるため)

電源確保の具体的な優先順位や条件は、使用している機器のメーカー・提供業者・主治医によって異なります。 退院指導の際は、患者ごとに使用機器の取扱説明書と合わせて確認してください。

自治体の助成制度も確認する

在宅人工呼吸器を使用する難病患者については、自治体が非常用電源設備(自家発電装置・無停電電源装置・蓄電池)の購入費を補助する制度を設けている場合があります。

各地の制度の例
  • 東京都「在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業」:指定難病等で常時人工呼吸器を使用する患者に、医療機関が無償貸与する自家発電装置・無停電電源装置・蓄電池の購入経費を補助(申請者は医療機関)
  • 大阪府「在宅人工呼吸器使用者非常用電源整備事業」:訪問診療を行う府内の医療機関・訪問看護事業所・薬局が、患者に貸し出す簡易自家発電装置等を整備する費用を補助
  • 名古屋市「在宅人工呼吸器使用者非常用電源補助事業」:在宅で常時人工呼吸器を使用する市民本人が、非常用電源装置の購入費の補助を受けられる(所得制限あり)

このように、制度の有無・対象・申請者(医療機関経由か患者本人か)は自治体によって大きく異なります。 患者の居住自治体(保健所・障害福祉課・疾病対策の窓口など)に、同様の助成制度がないか退院前に確認しておくと、 家族の経済的負担を減らせる場合があります。

まとめ

台風は「来てから慌てる」のではなく、退院支援の段階で備えを仕込んでおけるのが強みです。 上記のチェック項目を退院前カンファレンスに組み込んでおくと、家族にも医療者にも安心材料になります。

ご注意
機器の使用方法・電源確保の可否は、必ず使用機器のメーカー・提供業者・主治医にご確認ください。 個別の医療判断はそれぞれの担当医にご確認ください。
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執筆者
保健師・社会福祉士・介護支援専門員
医療ソーシャルワーカー(MSW)

病院で入退院支援に従事。記事は厚生労働省の告示・通知や法令にあたって作成しています。
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