患者・家族向け 社会資源

障害福祉サービスを使った退院後の生活
基幹相談支援センターへの相談から始めよう

この記事でわかること
  • 障害福祉サービスとは何か・介護保険との違い
  • まず相談すべき「基幹相談支援センター」の役割
  • 相談支援専門員とサービス等利用計画のしくみ
  • 退院後に使える主なサービスの種類
  • 障害支援区分の申請の流れ

障害のある方が退院後に使える制度

身体障害・精神障害・知的障害・難病のある方が退院後に使えるサービスは、 介護保険だけではありません。 障害者総合支援法に基づく「障害福祉サービス」を活用することで、 自宅での生活支援・就労支援・住まいのサポートなど、 幅広い支援を受けることができます。

💡 介護保険と障害福祉サービス、どちらを使う?
  • 65歳以上で介護保険の対象になる場合は、まず介護保険が優先されます
  • 介護保険だけでは不足する場合や、介護保険に該当しないサービスは障害福祉サービスが使えます
  • 65歳未満の方は障害福祉サービスが主な支援制度になります
  • 難病の方は、介護保険対象年齢未満でも「第2号被保険者」として介護保険が使える場合があります

まず相談するのは「基幹相談支援センター」

「どこに相談すればいいかわからない」——障害のある方やご家族がよく感じる悩みです。 そんなときに頼れる窓口が基幹相談支援センターです。

🏛️ 基幹相談支援センターとは

  • 設置主体:市区町村(または委託を受けた法人)
  • 対象:身体・知的・精神の三障害、難病の方とその家族
  • 主な役割
    • 総合的な相談支援(どのサービスが使えるかを一緒に整理)
    • 地域の相談支援事業所のとりまとめ・後方支援
    • 権利擁護・成年後見制度の活用支援
    • 地域の障害福祉サービス事業所との連絡調整
    • 困難ケースへの専門的対応
  • 費用:相談は無料
  • 探し方:市区町村の障害福祉窓口に聞くか、「○○市 基幹相談支援センター」で検索
📞 退院前に相談しておくのがベスト
入院中であっても基幹相談支援センターに相談できます。 退院後のサービスをスムーズに使い始めるためには、 退院前から連絡を取り、担当の相談支援専門員を決めておくことが大切です。 病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)に「障害福祉の相談窓口につないでほしい」と伝えてみてください。

相談支援専門員とサービス等利用計画

障害福祉サービスを利用するには、 相談支援専門員が作成するサービス等利用計画が必要です。 介護保険のケアマネジャー・ケアプランに相当するものと考えるとわかりやすいです。

1
基幹相談支援センターまたは市区町村の障害福祉窓口に相談
本人の状態・希望するサービスを伝えます。担当の相談支援専門員が決まります。
2
障害支援区分の認定申請(サービスによって必要)
訪問調査と医師意見書をもとに「障害支援区分(1〜6)」が決まります。 区分によって使えるサービスの種類・量が変わります。
3
サービス等利用計画の作成
相談支援専門員が本人・家族の希望をもとに計画を作成し、市区町村に提出します。
4
支給決定・サービス開始
市区町村から支給決定が通知され、各事業所と契約してサービスを開始します。

退院後に使える主な障害福祉サービス

サービス名内容対象
居宅介護(ホームヘルプ) 自宅での身体介護・家事援助 障害支援区分1以上
重度訪問介護 重度障害者への長時間の在宅支援 障害支援区分4以上
生活介護 日中活動の支援(入浴・排せつ・食事・創作活動等) 障害支援区分3以上
共同生活援助(グループホーム) 少人数で共同生活しながら支援を受ける住まい 障害のある方全般
就労継続支援(A型・B型) 一般就労が難しい方への就労訓練・作業支援 就労を希望する障害のある方
自立訓練(機能訓練・生活訓練) 退院後の日常生活能力・社会生活能力の向上訓練 訓練が必要な障害のある方
短期入所(ショートステイ) 施設への一時的な入所(介護者の休息にも) 障害支援区分1以上
補装具・日常生活用具 車いす・補聴器・ストーマ装具など 身体障害者手帳取得者など

精神障害のある方が使える特有のサービス

精神障害のある方には、障害福祉サービスに加えて 精神科訪問看護ACT(包括型地域生活支援)など、 医療と福祉が連携した支援があります。

  • 精神科訪問看護:精神科病院や訪問看護ステーションから看護師が自宅を訪問し、服薬管理・生活支援・家族支援を行う
  • 地域活動支援センター:日中の居場所・創作活動・社会との交流の場を提供(市区町村が実施)
  • 自立生活援助:グループホーム等を退所して一人暮らしをする方へのサポート

難病の方が使えるサービス

難病(指定難病)と診断された方は、 特定医療費(指定難病)助成制度により医療費の自己負担が軽減されます。 また、障害者総合支援法の対象疾患に該当する場合は、 障害支援区分の認定を受けなくても一部のサービスが使えます。

📋 難病の相談窓口
  • 都道府県・指定都市が設置する難病相談支援センター(療養相談・就労相談・ピア相談)
  • 市区町村の基幹相談支援センター(福祉サービス全般)
  • 病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)(医療費・制度の相談)
ご注意
障害福祉サービスの内容・利用条件は市区町村・対象疾患によって異なります。 詳細は基幹相談支援センターまたは市区町村の障害福祉窓口にご確認ください。