在宅での看取りを考える
自宅で最期を迎えるための準備と支援
- 在宅看取りに必要な支援の体制
- かかりつけ医・訪問看護師の役割
- 「いざというとき」に備えてやっておくこと
- 家族が感じやすい迷いと、その向き合い方
「最期は自宅で」という希望を叶えるために
「できれば住み慣れた自宅で最期を迎えたい」——そう願う方は少なくありません。 実際、国も在宅での看取りを支援する方向で制度整備を進めており、 訪問診療・訪問看護・介護サービスをうまく組み合わせれば、 多くの方が自宅での看取りを実現できる環境になっています。
ただし、在宅看取りには事前の準備と、関わるチームとの連携が欠かせません。 「急に具合が悪くなったらどうしよう」「救急車を呼ぶべき?」 ——こうした不安を抱えたまま迎えることなく、 あらかじめ話し合いと準備を重ねておくことが大切です。
在宅看取りに必要な支援体制
在宅で看取りを行うには、次の支援が揃っていることが大切です。
✅ 在宅看取りを支えるチーム
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かかりつけ医(在宅療養支援診療所)
定期的な訪問診療と、24時間の緊急対応ができる医師。「往診してもらえますか?」と事前に確認しておくことが重要です。 -
訪問看護師
体の状態の観察・点滴・痛みの管理・家族へのケア指導などを担います。急変時の連絡先にもなります。 -
ケアマネジャー
介護サービス全体のコーディネーター。訪問介護・福祉用具・医療チームとの調整を行います。 -
訪問介護員(ヘルパー)
身体介護(食事・排せつ・入浴など)や生活援助(買い物・食事準備など)を担います。
かかりつけ医が「看取り対応が可能か」「夜間・休日の対応はどうなるか」を事前に確認しておきましょう。 これができていないと、急変時に慌てて救急搬送するしかなくなることがあります。
「死亡診断書」はかかりつけ医が書く
在宅で亡くなった場合、死亡診断書はかかりつけ医が作成します。 そのため、かかりつけ医が「看取り診療」に対応していることが必要です。
かかりつけ医が看取りに対応している場合、ご本人が自宅で息を引き取られた後は、 医師を呼んで死亡確認を行います。救急車を呼ぶ必要はありません。 あらかじめ「亡くなったらどこに電話するか」を家族全員で確認しておきましょう。
- 訪問看護師 or かかりつけ医(担当者と事前に確認)
- ご家族・親族への連絡
- 葬儀社(事前に目星をつけておくと安心)
救急車は「蘇生を希望しない」場合には呼ばないのが原則です。事前にかかりつけ医・訪問看護師と確認しておきましょう。
痛みや苦しさへの対応——緩和ケアについて
「自宅では痛みの管理ができないのでは?」という心配をよく耳にします。 しかし現在は、医療用麻薬(モルヒネなど)を自宅でも使用できます。 医師の指示のもと、訪問看護師と連携しながら 痛みや呼吸困難を和らげる緩和ケアを在宅でも行うことが可能です。
「眠れないくらい痛い」「息苦しくてつらい」という状況は、 事前に訪問看護師・かかりつけ医に伝えて対処法を確認しておくと、 いざというときに落ち着いて対応できます。
家族が感じやすい「迷い」と向き合う
在宅看取りを選んだ家族が感じやすい気持ちを、正直に書きます。
プロのサポートチームが支えますので、家族だけで全部やる必要はありません。 「何かあればすぐ連絡できる」状態をつくることが最優先です。
これは自然な迷いです。病院は急変への対応に優れていますが、 「穏やかな最期」という点では自宅の方が本人の希望に沿えることも多いです。 どちらが正解ということはなく、ご本人と家族の気持ちが大切です。
看取りの後に後悔の気持ちが出てくることはよくあります。 それだけ真剣にお世話をされたということです。 訪問看護師やケアマネジャーに気持ちを話してみてください。
事前にやっておくと安心なこと
📋 在宅看取りの事前準備チェックリスト
- かかりつけ医が「看取り対応可能」か確認している
- 夜間・休日の緊急連絡先を家族全員で共有している
- 「救急車を呼ばない」という方針を家族で話し合っている
- 訪問看護師と「急変時の対応」について打ち合わせている
- 痛みや呼吸苦への対処法を主治医・訪問看護師に確認している
- 葬儀社についておおよその目星をつけている
- ご本人の「最期に関する希望」を書き留めている(人生会議・ACP)
「やっぱり入院したい」と思ったら
在宅看取りを選んでいた方でも、途中で「やはり病院の方が安心」と気持ちが変わることがあります。 それは当然のことです。気持ちが変わったことは、いつでも主治医・訪問看護師・ケアマネジャーに伝えてください。
緩和ケア病棟(ホスピス)への転院や、一般病棟への入院なども選択肢に入ります。 「在宅看取りを選んだら後戻りできない」ということはありません。
この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の医療・介護の判断を推奨するものではありません。 具体的なことは、かかりつけ医・訪問看護師・ケアマネジャーにご相談ください。